「理想の彼氏メーカー」のSimSimi APIによる不快な会話が発生するのは当然

現在、話題のiPhoneアプリ「理想の彼氏メーカー」ですが、起動後の画面右下にはSimSimi APIと記載されているように、どうやらその「理想の彼氏メーカー」にはSimSimiというAPIが使われているようで、ちょっと色々と調べてみました。

「理想の彼氏メーカー」のSimSimi APIによる不快な会話が発生するのは当然

集合知による自然言語処理システム技術

Simsimiのサービス自体は2002年9月から韓国の同名のSimsimi社からリリースされ、一年間で対話相手が約100万人を突破、2004年には携帯電話向けにサービスを展開し韓国の女子中高生の間で人気を博したサービスです。

集合知による自然言語処理システム技術「AICR v2.0」、いわゆる人工知能チャットが利用されているようで、様々なユーザーがチャットを介してゲーム上のキャラクターと会話をすることで、キャラクターに様々な会話を覚えさせることができ、それによってリアルな会話が成立するのです。

例えばこんな流れで、会話情報が蓄積されていくのです。

Aさん → キャラクター
 :「AKB48」と言ったら、「前田敦子」って言うんだよ
キャラクター
 :「AKB48」と「前田敦子」を関連付けて学習する
Bさん → キャラクター
 :「前田敦子」と入力
キャラクター
 :「AKB48」と応答する

なのでネット上で話題になった、チャットで「尖閣」と入力すると「中国の領土」という返答によりユーザーから怒りの声が上がったりしたのですが、上記のシステムフローならばそれはごく当然で、様々な人の手によって蓄積されていった会話情報によってキャラクターが反応した、と言うことはこのアプリのチャットでそういう風に入力した人がいるというわけです。
ある意味、そのキャラクターを介して見知らぬ人間とチャットをしているようなものなので、リアルに感じられて凄いと感じるのです。
(尖閣に関する内容はその後修正されたみたいです)

ユーザーが不快な会話をすればするほど不快に満ちる

つまりは、チャット上でユーザーがバッドな会話内容をすればするほど、不快に満ちた彼氏となるのです。

SimSimi社自身がそのAPIを利用したiPhoneの無料アプリ「SimSimi」を出しています。
https://itunes.apple.com/app/id375239755?mt=8

アプリを起動すると、様々な人がバッドな言葉をSimSimiシステムに教えることにより悪意に満ちることもあるという案内が表示されたり、利用時には「性的表現、人種差別、悪口、名誉毀損」などを聞くこともあり、アプリ使用中の精神的、感情的な被害や問題に関しては免責事項であると利用規約にも記載されています。

アプリを起動 利用規約

以上のことを踏まえた上でこれらのアプリを利用しないと、不快な思いを持つだけです。

ただ、一定の修正や指摘を受けたりすると、それに対応して修正されることもあるようです。

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同様にこちらにまとめられた記事の内容、個人情報が抜き取られているのでは?という件に関してですが、今年の2月のこの記事にある通り、様々なアプリが無断でiPhoneの連絡先にアクセスして送信していた問題が発覚して、Appleは改善を約束するとしました。

そして、iOS 6ではアプリの連絡先へのアクセスを管理できるようになりました。
下記の手順で連絡先へのアクセスを要求したアプリの一覧が表示されますが、「理想の彼氏メーカー」のアプリ名は見当たりませんでした。
設定 > プライバシー > 連絡先

つまりは上記で述べたシステムフローによって、「個人情報」に関する会話もユーザーによって蓄積されたデータであると考えられ、「個人情報」、「抜き取った」という会話が発生しているのならこのシステムフローを知らない人にとっては怖いアプリと感じるのは言うまでもありません。

「理想の彼氏メーカー」のSimSimi APIによる不快な会話が発生するのは当然

SimSimi API

SimSimiのシステムはAPIとして利用できるので、そのAPIを利用すれば「理想の彼氏メーカー」みたいなアプリは作れますが、上記で述べたようにアプリを利用するユーザーによってアプリの方向性は大きく変わります。
興味のある方はこちらから。
http://developer.simsimi.com/
AICR v2.0についてはこちらに韓国語で書かれています。
http://www.ismaker.com/service/aicr.html

あとがき

基本的なシステムを構築したら後はユーザーがそのデータベースを構築してくれる、そんなサービスで思い出すのはアキネーターがありますが、SimSimiもアキネーターもうまく膨大な数のユーザーの入力する集合知データを利用することで巨大なデータベースを構築してサービスを展開するという意味では、着眼点は素晴らしいものがあると感じます。

■アキネーター
アキネーターはいくつかの質問に答えると、あなたが想像している人物をアキネイターが言い当てるというアプリです。

参照先
http://www.atpress.ne.jp/view/5659
http://getnews.jp/archives/272645

なかなかに面白いアプリですよね。それでは。